たそがれ泣き(コリック)についてと、その対応

たそがれ泣き(黄昏泣き・コリック)って何?

「たそがれ泣き」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?夕暮れ泣き、乳児疝痛と呼んだり海外では、「コリック」とも呼ばれています。

たそがれ泣きとは、数時間に渡り、発作的に激しく泣き続けているような状態のことをいいます。主に夕方頃から夜中にかけてみられ、文献により幅はありますが赤ちゃん全体の10〜40%     にこの症状が出ると言われています。生後6週間頃から始まり、生後3〜4か月頃には落ち着いてくることが多いですが、生後6か月頃まで続く場合もあります。

ママやパパが「赤ちゃんが     泣き止まなくて困っている…」ということは珍しくないのです。ですが、泣いていても数時間程度で泣き止みますし、たそがれ泣きをする時期も長くは続きませんので安心してくださいね。

原因ってあるの?

とはいえ、お子様の泣いている様子をみたり、泣き声を聞き続ける     のは辛いもの。そもそも、なぜ赤ちゃんはそんなに長く・激しく泣くのでしょうか?

実はこの原因についてははっきりわかっていません。原因の一つとして腸内にガスが溜まっていることによる腹痛が考えられています(コリックという言葉の由来でもあります)が、全てがそれに当てはまるわけではないのです。

ほとんどの場合は、赤ちゃんが刺激に異常に敏感になっていたり、神経システムが未熟なためであると考えられています。そのため、赤ちゃんが成長するにつれて神経系も成熟し、たそがれ泣きが改善していきます。

赤ちゃんが泣き止まないからと必要以上に焦ったり、自分を責めたりしないで大丈夫。そういう時期なのだなとまずは理解しておきましょう。

稀に、ヘルニアや腸重積など何らかの病気が原因で泣きが続く場合もあります。重大な病気に関連していないかを確認するために、まずは小児科の医師に相談してみると安心ですね。

何か対策はないの?

成長とともに改善していくのでそれを待つだけでも良いのかもしれませんが、いくつか試せることもあります。ここでは、米国小児科学会が紹介している方法の一部をお伝えします。

1)小児科の医師に相談してみましょう。

まずは、たそがれ泣きの原因に重大な病気が隠れていないかを確認しましょう。

授乳中の場合は、ママが食べる食事からカフェイン、香辛料などの刺激のあるものを摂取しすぎていないか     相談してみると良いでしょう。ただし、ママのストレスがたまりすぎるのも良くありません。もし、自主的に食事内容を調整する場合は無理のない範囲でしてみてくださいね。医師から指導があった場合は、それに従いましょう。

また、粉ミルクを与えている場合は、低アレルゲンミルクにすることを相談してみても良いかもしれません。ただし、粉ミルクが原因でたそがれ泣きが起こっている確率は高くないので、もし変えてみたとしても必ず改善するとは限りません。低アレルゲンミルクを試してみる時は、「改善したらラッキー」程度の気持ちでトライしてみましょう。

また、最近の研究ではプロバイオティクス(乳酸菌製剤)が効果的であるという結果もでていますので、プロバイオティクスの使用について相談してみても良いですね。日頃から便秘の対策をしているとたそがれ泣きを予防にも繋がりますので、便秘がある場合も相談しておくと良いでしょう。

2)授乳の間隔をあけましょう。

過度に授乳をすることで腹部の張りが強くなり、赤ちゃんが不快に感じる場合があります。たそがれ泣きをするときは、授乳開始から次の授乳までは、少なくとも2時間以上はあけると良いでしょう。

3)抱っこ紐やベビーカーで歩いてみましょう。

動きや揺れで赤ちゃんが安心することがあります。

4)ホワイトノイズを聞かせてみましょう。

換気扇や掃除機の音、テレビの砂嵐のような音を「ホワイトノイズ」といいます。この音は、赤ちゃんがママの体内にいた時に聞いていた音に似ていると言われ、安心感を与えることがあります。

5)おしゃぶりを試してみてもよいでしょう。

おしゃぶりの使用で泣きがおさまる場合もあります。ただし、おしゃぶりを好まない場合もあるので、お子様の好みに合わせて使用してみてください。また、母乳育児をしている場合はおしゃぶりを与えることで母乳育児に影響を与える場合がありますので、使用する時間やタイミングに考慮しながら使用すると良いでしょう。

6)赤ちゃんを膝の上に腹ばいにして、静かに背中を撫でてあげましょう。

お腹に適度に圧力がかかり、また触れたり撫でられている安心感から、泣きが良くなることがあります。

7)大きく柔らかい毛布で包んであげましょう。

暖かさや包まれている安心感から泣きがおさまることがあります。その時の気温や体温に合わせてガーゼのタオルケットでもよいですね。

大切なのはママやパパの精神面も!

原因がわかってもお子様が泣いている姿をみるのは精神的に辛いものがありますよね。対応しようにも、そうする余裕がない時ももちろんあるでしょう。

もし、ママやパパが精神的に緊張したり不安になったりした時は、家族や頼れる人にお世話を依頼するのも対策のひとつです。すぐに誰かに頼めない時は、お子様を確実に安全な場所に寝かせて、ママやパパはそっと部屋を出て時間をおくのも良いですね。

時間をおいて少しリラックスをして、それからまた育児に取り組めば大丈夫!前向きに育児に取り組むためには大切な時間です。

赤ちゃんが泣いていても自分を責めすぎず、時にはリラックスするということを大切にしながら育児に取り組んでみてくださいね。